奥河内の野鳥

奥河内の野鳥-河内長野市鳥類目録2025-
2025年3月に刊行された「奥河内の野鳥ー河内長野市鳥類目録」は2011年1月から2024年6月まで河内長野市内で観察された鳥の記録39,030件を月別、場所別にまとめたものです。 デー タは河内長野野鳥の会が開催している探鳥会や、 同会が実施している月例のため池調査の記録の他に環境省の「ガンカモ類の生息調査(全国一斉調査)」、 大阪府の「鳥獣保護区更新調査」、 市内で実施された環境アセスメント調査の報告書や個人の観察記録などからも収集しています。記録された鳥の種数は162種です。過去に数度しか記録のないような種は複数の観察者による記録か、写真、あるいは録音データなど客観的な検証が可能なもののみを採用しています。
ここにはその冊子をデジタル化して掲載しています。またデジタル化にあたり鳴声を追加しました。音声を掲載している種はまだ多くありませんが今後充実させていく予定です。
サイト参考
①:和名と学名 種の和名・学名および掲載順序は日本烏学会発行の「日本烏類目録改訂第8版(2024年9月)」に準拠しています。
②:渡り区分 河内長野市での過去の記録に基づいて決定しています。 リュウキュウサンショウクイのように近年急速に分布を拡大し渡り区分が変化している種もいます。 判断に困るような種は保留にしています。
③:全長・体重 全長の測定は鳥を仰向けに寝かせ、嘴の先端から尾羽の先端までの長さを測ります。嘴や尾の長い種は見た目の大きさと印象が異なる場合があります。体サイズや体重が雌雄で異なる種があります。その場合、サイズは大きい方、体重も重い方の数字を示しています。
④:レッドリスト掲載種 環境省が発行しているレッドリストに掲載されている種について、記載があればそのランクを、記載がなければ 「一」を記載しています。ランク詳細については環境省のホームページをご覧ください。
⑤:写真 鳥の写真は河内長野市内で撮影されたものを使用するようにしています。過去に一度しか記録のないような稀な種や撮影困難な種では、やむなく市外で撮影された写真を採用したものもあります。オスとメス、冬羽と夏羽(繁殖羽)で大きく外観の異なる種などは複数の写真で紹介しています。
⑥:種の解説 市内における出現状況や生息地域、観察できる時期を中心に記載しています。他種との識別ポイントなどについては優れた野烏図鑑がたくさん出版されていますので、興味をひかれた方はどうぞそれらを参考にしてください。
⑦:月別出現頻度 月別にその種が確認できる目安を赤色の円の大きさ5段階で示しています。円が大きいほど観察できる可能性が高い月です。空白の月は観察記録がなかった月を示しています。
⑧:メッシュ図 観察された記録からその種が市内のどの地域枠に分布し、どの程度の頻度で観察できるのかを示しています。メッシュ枠は国士地理院が提供している、日本全士を5km四方の枠(メッシュ)で区切ったものを基準としていますが、サイズや環境に合わせて適宜統合し河内長野市を7つの地域に区分しています。それを北から東に順に1から7までの数字を振ってメッシュ番号としました。それぞれの種が区分された地域で観察できる目安を5段階の円の大きさで示しており、円が大きいほどそのメッシュで観察できる可能性が高いことを示しています。
用語解説
留鳥 河内長野市で1年を通して観察できる鳥。季節に応じて標高の高いところから低いところへ、またはその逆に移動する種も含まれている。
漂鳥 同じ日本国内でも夏に北日本で繁殖し、冬に西日本などの暖地に移動する鳥。河内長野市でも夏に山地で繁殖し冬に平野部に降りてくるような鳥もいるが、その種や移動範囲は明確ではない。
夏鳥 河内長野市に春に渡来し、秋には渡去していなくなる鳥。
冬鳥 河内長野市に秋に渡来し、春には渡去していなくなる鳥。
旅鳥 河内長野市に春秋の渡りの季節に一時的に立ち寄る鳥。
迷鳥 本来、河内長野市には生息しないが何らかの理由で偶然渡来した鳥。
亜種 生物の分類階級のひとつ。種の下位に位置する。種の中で生態や携帯に差異が認められた群れを示す。
移入種 「外来種」の項を参照。
日本固有種 日本国内にのみ分布する種。
在来種 もともと国内に生息していた生物種。
外来種 もともと国内に生息していなかった種が人の手によって導入(移入)された生物(外来生物)。
外来生物法 海外を期限とする生物で、国内で生態系や農林水産業へ被害を及ぼす恐れのある種を「特定外来生物」に指定してその被害を防止する目的で制定された法。指定されると飼養、栽培、保管、運搬、輸入などが規制される。
成鳥 成長によって外部形態が変化しなくなった状態の鳥。繁殖可能な鳥を指す場合もある。大型の鳥種では成鳥羽になるまで4~5年かかる種もあれば、未成熟の羽のままで繁殖する種もある。
幼鳥 その年生まれの鳥。「成鳥」の項も参照。
タカ渡り 「渡り」の項参照。
ドラミング 枯れ木や中空の電信柱など反響するものを叩いて大きな音をたてたり、翼を羽ばたかせて音をたてる行動。ヤマドリの「ホロ打ち」もドラミングの1種と考えられる。
混群 秋から冬に形成される鳥の群れのことで、複数の種が混ざっている。集団になることで捕食者や餌を発見しやすくなるとされている。
停空飛翔 鳥が翼や風を利用して空中の1点にとどまる行動。地表面の餌を探していることが多い。
渡り 季節的に繁殖地と越冬地の間を繰り返し移動する行動。
縄張り 個体が他個体(多種の場合もある)の侵入を排除する一定の空間。繁殖のための縄張りや採餌のための縄張りなどがある。囀り 主に鳥のオスが繁殖期に鳴く特徴のある声。縄張り宣言や求愛のために用いられる。
地鳴き さえずりとは異なる鳴声。季節に関係なく鳴く。短く単純な声が多い。お互いの位置の確認や警戒の意味がある。
托卵 他の鳥の巣に卵を産み、抱卵、育雛までの一切を任せる行動。カッコウの仲間で多く知られる。托卵する相手は種によっておおむね決まっているが固定されているわけではない。
聞きなし 鳥の鳴き声を人の言葉に置き換えて表現すること。ウグイスの「ホーホケキョ(法法華経)」やホトトギスの「トッキョキョカキョク(特許許可局)」など。
種の保存法 正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物種の種の保存に関する法律」。国内外の希少な野生動植物の保護を目的として制定され、この法律で指定された種は捕獲や採取、販売、輸出入が原則禁止とされる。
レッドリスト 絶滅のおそれのある生物種のリスト。絶滅の危険性に応じていくつかの段階に分けられている。本サイトでは環境省レッドリストを紹介している。
狩猟鳥 法によって狩猟が認められた鳥種。スズメ、キジバトやカモの仲間の一部など26種が狩猟鳥として認められている。同じ種でもメスの狩猟が禁止されている場合があるので注意が必要。狩猟期間の定めがある。
密猟 法に反して行われる狩猟行為。
害鳥 人の主観によって決定された鳥の分類群。多くは農業に被害を与える種を示すが糞やその臭いによる環境被害、鳴声による騒音被害を与える種も含まれる。
探鳥会 野鳥の会などが開催している、野外に出かけて鳥を観察するイベント。
